今年も早いものであと一日。
2020年は東京オリンピックなど楽しいイベントがたくさんのはずだったのに、突如現れた新型コロナウイルスという目に見えない脅威にすべてが覆され、3月半ば以降は基本的に
籠城、自粛、confinement...
という状態で、自分自身や特にふだん生活を共にしている「家族」と向き合う時間が急に増えた一年でした。夫婦間では「コロナ離婚」という言葉もよく耳にしたものです。
我が家は3月17日以降夫のバンちゃんがずーーーーーっとテレワークとなり、オフィスに出勤したのはわずか一日。それ以外ずっと、我が夫婦は家の1階と2階に別れてそれぞれテレワークに勤しみ、昼食は一緒にとるという生活を送っています。
最初のほうこそ私は「あー今まで一人で気楽なお昼だったのに、毎日2人ぶん作らなきゃいけないなんて面倒」とボヤき、そのうち食事作りが増えたストレスで自爆するんじゃないかと思っていました…が、意外にそんなこともなく。
理由としては、バンちゃんが運動もかねてほぼ毎日「青いパン屋」に足を運んで焼きたての美味しいバゲットを買いに行ってくれたので、多少なりとも感謝の気持ちが芽生えたから、、、?あとはまあ、忙しい平日の昼に一から料理をせずに済むよう、前日の夕飯を多めに作っておくなどの工夫にも慣れてきたからでしょうか。
食事作り以外のところでは、小学校の休校中、ユーゴの宿題をほぼ全部バンちゃんパパが見てくれたので、私は一人2階で仕事に集中することができてありがたかったというのもあります。そういうわけで、夫婦間で自然に家事育児の分業が行われ、どちらか一方のストレスが過度に溜まるということがなかったため、特に喧嘩もせず今日までうまく「共生」できています笑
それから仕事についてこの一年を振り返ると、年明けから10月いっぱいまでは「マンネリ」のようなものを感じていました。毎日それなりに忙しいしやるべきことも多いですが、1ヶ月スパンでだいたい同じような業務を繰り返して特に新しいこともなく、このまま一年終わってしまうのかな、と。特に、今年はコロナ禍で通訳の仕事がすべてキャンセルになったので、家でのテレワークだけを行っていたのも原因の一つだと思います。毎日仕事ができるだけでもありがたい状況ではあったのですが…
ところが2020年も終わりに差しかかろうという11月以降、フランス語学校の社長Kさんのアイデアがあれよあれよという間に実現へと進み、その実行部隊に組み込まれてしまったことに加え、突如発生した「フランス人講師不足」という緊急事態から怒涛のリクルートラッシュに発展したため、12月はまさに「師走」の名にふさわしいドタバタの忙しさでした。そんな慌ただしい毎日を過ごす中、気づきや学びがあったとすれば、それは
自分の可能性や能力を広げたいなら、
まずは自分の殻を破ることから始めるべし
でしょうか。これまで自分にはできない、向いていない、と思えてやらなかったことに敢えて踏み出してみる。そうすることで、やってみたら意外に面白い、自分に合っている、新しいことができそうだ、というワクワクした気持ちを一年の終盤に味わえた気がします。何事も成長を目指すのであれば、自分に「少しの無理」という負荷をかけないと、ですね。大幅な無理だと自分を壊すことになりかねないので、「少し」がポイントです。
そんなこんなで長くなりましたが、2021年は何かと新しい広がりが生まれそうな予感で、コロナの収束も(さすがに)期待できるし、今から楽しみにしています。来年のなるべく早いうちに安心して日本に行ける日が戻ることを願いつつ…
皆さま良いお年を(o^^o)
2020年12月31日木曜日
2020年を振り返って
2020年12月25日金曜日
クリスマス2020
2020年12月20日日曜日
マスクのおかげ ?風邪知らずの冬
フランスでは11月5日から小学校でもマスク着用が義務付けられ、ユーゴの学校では1日2枚持ってくるように言われています。
そこでユーゴには、日本から送ってもらったこちらのマスクを持たせています。
生地が丈夫で立体的で、耳の紐が本体と繋がっている切りっぱなし構造?フランスでは見かけないマスクです。紐の幅が広いので、名前も書けちゃいました笑
朝から夕方までずーっとマスクをつけているのは子供にとってしんどいだろうと思いますが、ユーゴに聞いてみたところ、そこまで不快ではないそう。なんでも、この切りっぱなしマスクは耳の紐が太くて薄いせいか、耳が痛くならないらしいのです。
さすが日本クオリティ!
そして小学校でもマスク着用を徹底しているおかげなのか、11月以降はユーゴが鼻水を垂らしたり咳き込んだりすることが一切なく、元気そのもの。学校では手洗いや消毒も頻繁に行っていると思われるので、加えてマスクで飛沫を防いだらコロナだけでなく他のウイルスの押さえ込みにも成功しているようです。去年までは9月からクリスマスの間に3回は風邪引いていたので、今年は風邪知らずで嬉しいかぎり。
マスク効果やっぱりすごい!?
この話を日本に住んでいる友人にしたところ、日本でも今年の冬はインフルエンザの発生件数が大幅に少ないそうで、悪いことばかりじゃないね〜なんて慰め合ったり。コロナが収束しても、秋から冬にかけての学校では手洗いや消毒の頻度をキープしてもらいたいです。
2020年12月16日水曜日
フィナンシェのお山
過去の記事でお見せした、鉄製の薄焼きフィナンシェ型の2つめを購入して12×2=一度に24個焼けるようになったので、↑こんな風にちょっとしたお山ができるようになりました笑
フィナンシェは週末の朝ごはんに時々作ります、コーヒーとの相性が良すぎてねぇ、、、薄焼きだと香ばしさと軽さアップでぱくぱく食べられちゃうので、あっという間に自分のぶん(我が家は3人なので一人8個)がなくなってしまいます。
さて、昨日からフランスは夜8時から全土で外出禁止令が始まりましたが、田舎暮らしのインドア派にはまったく影響なしです。車一台走っていないパリの大通りの映像はさすがに圧巻の光景でしたけどね。
24日のクリスマスイヴを家族で過ごせるよう、政府の発表によると「子供はクリスマスの一週間前から学校を休んでも良し」とのこと。一週間自主隔離して無症状なら陽性のリスクも人に感染させるリスクも低いという見方でしょうかね。さて我が家は…学校からその件に関するメールは来ていないし、ユーゴは学校に行きたいと言うし、どうするかな(- -;;
2020年12月8日火曜日
「北海水産」注文してみた@フランスの端っこ
欧州近海で獲れた魚を日本風に加工し、冷凍販売しているオランダの会社「北海水産」。まだレンヌに住んでいたころ(だからもう7年以上前)、日本人のお友達同士で「合同注文」したことがあります。送料がけっこうかかるし、遠方からの注文だと150ユーロ以上からしか受け付けてくれないので、数人で分割したほうがお得なのです。
その時食べた「鯖のコチュジャン煮」と「海老フライ」が美味しかったので、また注文したいと思いつつ、今は一人ぽつんとフランスの端っこに住んでいるので合同注文ができない…!こちらの日本人のお友達は皆車で30分以上のBrestにいるのでね。
我が家だけで150ユーロ以上の海産物+35ユーロの送料、計200ユーロ近くを出費するのはなかなか躊躇しましたが、今はコロナ禍。気楽に外食できなくなった今だからこそ、おうちごはんでちょっと贅沢してもいいんじゃない…?
というわけでバンちゃんを口説き落とし、7年以上ぶりに北海水産、我が家だけで注文しました!待つことほぼ1ヶ月、、、今日やっと配達されました!
塩鯖に、鯖のコチュジャン煮。
上から時計回りに、鯖の竜田揚げ、鯵フライ、タラの西京漬。
ゆで蛸に、しめ鯖!
海老フライに、ほたてフライ♩
これからしばらくは魚介の和食を楽しめそうです、さてどれから食べようかな…青魚&フライ多めですが、油で揚げるだけならお安い御用笑
2020年12月5日土曜日
おうちでビッグマック
ユーゴに「マクド(ナルド)行きたい」と言われたものの、フランスはまだ一応外出制限中で外食はできないし、テイクアウトしようにも我が家から一番近いマクドは車で20分。それじゃ家に着く頃には冷めちゃう…
それならもう自分で作ってみるか!ということで、記憶をたよりに材料をかき集めてできたのがこちら。ビッグマックもどき。
バンズが大きすぎて中身がよく見えませんが、薄めのひき肉ステーキが2枚入っています。あとはサラダに、チェダーチーズに、刻み玉ねぎにピクルス入り。
ビッグマックの味の決め手はソースなんですが、スーパーを物色したところ、HEINZ(ハインツ)のバーガーソースが「見た目」そっくりだったので買ってみました。
そうしたらこれが大当たり、見た目だけじゃなく味もほぼ同じでした!ひき肉ステーキは精肉コーナーでフレッシュな牛肉を挽いて作ってもらったので、本場の味を超えたかも?簡単で美味しくできたので、大満足♩
ユーゴはバーガーソースではなくケチャップを入れ、ダブルーチーズバーガーをこさえて頬張っていました笑 自分で好きな具を選んで作れるのも楽しいですね。
1枚目の写真奥にちらっと写っているポテトですが、オーブンで揚げ焼きにしたので油分控えめでヘルシーです(関連記事はこちら)。Bintje(ビンチュ)というジャガイモを使うと、表面カリっと中はホクホクに仕上がるのでおすすめです。
初めてのおうちビッグマック、まだまだ改良の余地はありますが、簡単に美味しく作れるとわかってまずは満足です(o^^o)
2020年11月29日日曜日
再ロックダウン緩和、1ヶ月ぶりの海
28日より再ロックダウンの規制が緩和され、お散歩は1km圏内を1時間から20km圏内を3時間以内まで許可となったため、向かったのはやっぱり、海!
夕日が綺麗な時間を狙って広々としたビーチへ。
2020年11月28日土曜日
やっと入れたアプリAntiCovid
11月の後半は、仕事のほうで新しい企画が浮上し一気に実行まで突っ走ったので、毎日ヘトヘトでブログ更新もできずにおりました…
特に書くこともないという情けない状況ですが、スマホにようやく政府推奨(?)アプリの「AntiCovid」を入れ、そこからだと外出証明書の発行が驚くほど簡単なので、手順をお見せしたいと思います。
まずはアプリをクリック。
Attestation下の青い長方形をクリック。
Nouvelle attestation(新しい証明書)をクリック。
名前、住所、生年月日などの情報は、最初に入力したものが保存されて二回目以降入力の必要がないので、Motif de déplacement(移動の理由)をクリック。
買い物で外出するケースが多いので、achats(買い物)が入っている理由をクリック。
右上の Générer(発行)をクリックすれば、証明書のQRコードが表示されるので、警察のコントロールを受けたらそれを見せる。
まだ一度も警察に呼び止められたことはないのだけど、、、こんな田舎じゃわざわざ外出証明書発行しなくてもいいんじゃないと思いつつ、習慣化しておかないと何が起こるかわからないしね。一応毎回ちゃんと発行してから外出します。
さて、フランスは再ロックダウンが今日から緩和され、レストランやバーなどを除く商店が再開されました。これからクリスマスまでの状況はどうなることやら…プレゼントを買いに行くのにも外出証明書の携行が必要なので、いつにも増して腰が重くなりそう(- -;;
2020年11月19日木曜日
2020年11月14日土曜日
プルーン入りファーブルトン (le far breton aux pruneaux)
ファーブルトン (le far breton)はブルターニュ名物のひとつで、クレープ生地をケーキ型に流し込んで蒸し焼きにしたシンプルなお菓子です。
味はクレープとプリンの中間ぐらいですが、小麦粉が入っているため食感が「ブリンッ」として弾力があり、私はあんまり好きではありません。プリンでもなんでも「とろける」食感が好きなもので…
ところが最近出会った、近所の「青いパン屋」ではなく「グレーのパン屋」でバンちゃんが買ってきたファーブルトン、これがあまりに美味しくて気に入ってしまったので、ブログにてその魅力を紹介します♩
個人的には特にプルーン入りがお気に入りです。ねっとり柔らかいプルーンがごろごろ。
美味しさのポイントは、これまで知っていたファーと違って「厚さが薄め」であること、そして内側(写真左)と外側(右)の生地の食感が大きく違って楽しめることです。内側はしっとりして卵のやさしい風味、外側は空気を含んで膨らみ焼き色がしっかりついているため、香ばしさとフワフワ食感を味わえます。
さらに、ファーブルトンは型に有塩バターをたっぷりと塗り、オーブンに入れる直前にも溶かしバターを生地の上にかける(らしい)ので、下から上から有塩バターに包まれて焼かれたファーは、塩味が絶妙なアクセントになってこれまた美味しいのです!
ちなみに、写真に映っているパーツは丸いファーを6等分に切ったもので、実際は直径20センチぐらいの円形です。グレーのパン屋ではこれがひとつ2,6ユーロ(300円ちょっと)なので、コスパ最強のファーに出会ってしまいなんとも嬉しい今日このごろ。
グレーのパン屋、肝心のパンのお味はイマイチなのですが、焼き菓子はなかなかレベルが高いと判明しつつあります。とりあえず、ファーブルトンの味は保証しますので、ロックダウン明けに近くまでお立ち寄りの方はぜひお試しあれ♩
5 rue de la Mairie 29870 Lannilis
02 98 04 11 62
2020年11月10日火曜日
スーパーで買えなくなったもの
再ロックダウン中のフランスですが、学校も一部の経済活動も続行しているので、前回の春と比べてかなり緩めです。
ただし、今回はスーパーの中に異変が起こっています。食料など「生活に欠かせないもの」以外の売り場は閉鎖されているんです。なんでも服飾や書籍、雑貨などの「生活必需品でないもの」を販売している小売店は閉店を強いられているのに、スーパーでは同じタイプの商品が引き続き売られているなんて不公平だ!という不満の声があがったらしく…
小売店の方々の気持ちはよくわかりますが、ロックダウンの程度は全体として前回に比べるとかなり緩いのに、唯一買い物ができるスーパーで購入できるものに制限がかかるなんて、消費者としては矛盾や不便さを感じてしまいます。
売り場の一部閉鎖が実施され始めて間もなく、買い物ついでにどんな商品が閉鎖対象なのか見に行ったら…なんと、
文房具売り場も閉まっていました。
消しゴムとかスティックのりとか、学校の必需品を切らしたらどこで買えばいいんだろう…プリントアウトするためのA4用紙とかも。
服売り場はすっかりシートで覆い尽くされておりました。
この日はユーゴのパンツを買おうかなと思っていたのですが、子供服も「非・必需品」扱いとなっておりました。
ベビー服売り場は開いていたのですが、子供はダメなんですね。サイズアウトの勢いは子供より赤ちゃんのほうが急激だから、ということでしょうか。
うーむ、この状況はなるべく短期間で終わることを願います。でないとAmazonの利用回数がますます増えて、スーパーといえど「フランスで」消費できたものでさえ海外資本の利益になってしまいそう(- -;;
幸いユーゴのパンツは一週間分ぐらいはあるので、こまめに洗濯して凌ごうと思います。そう遠くないうちに売り場のシートが剥がされますように…
2020年11月4日水曜日
籠城とは名ばかり?
再ロックダウン(再籠城)が始まって6日目ですが、前回と比べてまったく「籠城感」がない今日この頃です。
というのも、幼稚園から高校までの学校は開いているので、月火木金は朝と夕方の2回、ユーゴの送り迎えで外出します。その際の証明書ですが、学校のスタンプがついた
ロックダウン期間いっぱい有効
な証明書が配布されたので、それを持ち歩けば毎回新しい証明書を発行する必要がないのです。ただ、学校帰りにスーパーやパン屋さんに寄るのはNGかもしれないので、その場合は別途
一回のみ有効で外出日時の明記が必須
な証明書を併せて持って行ったほうがいいと思われます。面倒臭いけど、この証明書発行もスマホでちゃちゃっとできちゃうので、その気になれば一日何回でも外出できちゃう…という緩さです。なんせお国の端っこに住んでいるもんで、警察官もほとんど見かけない(^^;;
証明書の発行方法ですが、政府のウェブサイトから
Remplissez ici votre attestation en ligne
(ここであなたのオンライン証明書を入力してください)
をクリックすると、個人情報や発行日時、外出理由などを入力する画面に移動するので、名前から順にパパパッと埋めていきます。2回目3回目ともなると速い速い。
入力が終わって
Générer mon attestation
(自分の証明書を発行する)
をクリックすると、QRコードつきの証明書が表示されるので、それをスマホで表示できる状態にしておけばOKです。
前回のロックダウンではなんだか怖くて毎回紙にプリントアウトしていましたが、結局一度もコントロールを受けたことがなくだいぶ紙が無駄になったので、今回はデジタル版をスマホに入れて持ち歩くことにしています。
2020年10月31日土曜日
チケレストランの使い道@コロナ禍
フランスの"Ticket restaurant"(チケ・レストラン)を知っていますか?私は勝手に省略して「チケレス」と呼んでおります。
チケレスはフランスの企業が従業員に支給している「ランチ券」のようなもので、お昼ご飯を外で買って食べる社員の負担を減らすのと、地域のレストランやテイクアウトのお店に貢献する目的があると思われます。
一日の支給額は企業によって異なりますが、7〜10ユーロといったところでしょうか。うち企業は4割、社員が6割を負担します。土日を除く平日が対象なので1ヶ月だいたい20チケット支給され、昔は紙に印刷されたチケット綴りが毎月配られていましたが、今はICチップつきのカードで便利になりました。
バンちゃんのチケレスはまさにこのスイカデザインです。
多くの企業が支給しているチケレスですが、コロナ禍でテレワークが推奨されてからというもの、ランチは家で食べるのでチケレスを使う機会が激減し、カードには毎日10ユーロ程度が溜まっていく一方。我が家のバンちゃんは3月15日から今日まで一回も外でランチをしていないので、ある日、カードにだいぶ溜まっていると気づきました。その額、
450ユーロぶん!
しかもチケレスはその年ごとに「使用期限」があるらしいので、このまま放っておくと無効になってしまうそう。6割も社員が負担しているんだから、これはなんとかして消費しなければ…でもお金とは違って好きなように使えないのがチケレス。買えるものや場所、一日の限度額などあれこれ制約があるのです。
たとえば、チケレスはスーパーでも使えますが、もともと「ランチ代」として支給されているため、サンドイッチやサラダなど「出来合いの軽食」にしか使えません。しかも一日の限度額は19ユーロなので、スーパーではけっこう使いにくいのです。
ただ、コロナ禍にあって我が家同様チケレスが余ってしょうがない、または職業柄仕事が減って家計が苦しい人が大勢いることから、チケレスで買えるスーパーの商品に野菜と果物が追加されました。これは自炊の機会が増えたコロナ禍ではだいぶ助かります(本音は肉と魚も加えてほしいけどね〜)。
なのでここ2ヶ月ぐらいはチケレスをうまく消費しようと、一週間に1回の買い出しを2〜3回に分けるなどしていますが、一回で19ユーロ使っても2日で20ユーロぐらい溜まってしまうので、スーパーだけではなかなか効率よく消費できません。なんだか、チケレスに振り回されているように感じる今日この頃です(- -;;
それこそレストランでは堂々と使うことができて限度額も一日38ユーロなのですが、毎日外食というのは胃にもたれるし、なんせコロナ禍の外食は多少のリスクを伴うので気が引けますよね。そこで目をつけたのが「総菜屋(Traiteur)」での使用。レストランと同じく一回38ユーロまで使えるというので、最近はほぼ週一のペースで近くの総菜屋に足を運んでいます。
この日買ったのは、ほぼ2食分の惣菜。写真に映っているのは左上から時計回りに、お米とツナのサラダ、チキンとアボカドのパスタサラダ、海老とドライトマトのメキシカンマリネ。
他にもユーゴの大好物ラザニアやグラタン、デザートいろいろ、そして私のお気に入りは…こちらのネム(揚げ春巻き)です♩
中には豚ひき肉、人参、きくらげ、春雨が入っていてなかなかの美味しさ。130℃のオーブンで15〜20分温めればサクサク熱々に仕上がります。ネムは好物だけど自分で作ろうと思えばかなり手間ひまかかるので、近所の総菜屋さんで手軽に買えるとわかって嬉しい限り。クレームブリュレやフォンダン・オ・ショコラなどのデザートもレベル高いです。
再ロックダウン(二度目の外出制限)中も営業できるそうなので、外出証明書を片手に通い続けようと思います。水曜はパエリア、木曜はクスクス、金曜はキカファルス(ブルターニュ版ポトフ、関連記事はこちらより)、チェック済です笑
チケレスの消費が目的とはいえ、近所の総菜屋に足を運ぶようになったことで地域経済に少しは貢献していると思うので、コロナ禍も悪いことばかりではない…いや、悪いことだらけですね、やっぱり(T_T)
2020年10月29日木曜日
籠城、ふたたび始まる
フランスでは新型コロナウイルス感染第二波の急速な拡大にともない、10月30日(金)の0時から「全国一斉に」今年二度目の外出制限が始まることになりました。私はこれを「籠城」と呼ぶことにしています(関連記事はこちらより)。
「全国一斉に」を強調したのは、感染状況や医療体制の逼迫が深刻な地域だけが籠城の対象になるという噂もあったからです。正直、人口密度がとっても低いフランスの西の端っこはわりと平和だったので、今回のマクロン大統領の発表にはちょっとがっかりしたものです。
でもまあ、地域によって規制に差があると緩い方に人が押し寄せることも考えられるし、何より国全体の問題として全員が一丸とならなければ事態の早期改善は難しいだろうから、やりますよ、籠城ふたたび!
ただし発表から開始まで一日ちょっとしか時間がなかったので、翌日の29日は「籠城の準備」でバタバタと過ごしました。29日と30日は仕事の休みを取っていたのでのんびりしようと思っていたのに、あーあ。
外出制限中もスーパーへの買い出しは1時間以内であれば許可されているものの、毎回外出証明書を携行しなければいけないので、どうしても買い物に出る頻度は減ってしまいます。なので、ミネラルウォーターや日持ちする食品はいつもより多めに買ったのですが、加減がわからずデザートを買いすぎてしまい、冷蔵庫がパンパンに^^;;
左から果物いろいろのコンポート、ボンヌママンのバニラヨーグルト、プリン。写真には映っていませんが、上の段にもまだまだあります笑 ものすごい量ですが、バンちゃんは食後にだいたい2個は食べるし、今は夫婦在宅のテレワークで昼夜家で食事するので、デザートの減りはけっこう早いのです。
スーパーに買い出しの後は段ボールごみやプラスチックごみを捨てに行って、総菜屋さんにも寄って、一息ついて、最後の目的地は…海!
籠城中は家から1km圏内しかお散歩できないので、これを最後に1ヶ月は海の景色や潮風とお別れです。満潮時で波が高かったので、籠城前に最後の波乗りを楽しむサーファーたちをたくさん見かけました。
さて、あと1時間ちょっとで二度目の籠城生活がスタートです。前回と違って今回は幼稚園から高校までの学校は続行、経済活動も娯楽や販売業、飲食業以外は継続されるので、「ソフト籠城」とでも呼べるでしょうか。大学はオンライン授業、バーやレストランは閉鎖、他人と集まるのも禁止なので、ターゲットはまさに大勢集まって騒ぐ若者ですよね…
フランス経済にとっては更なる打撃ですが、この1ヶ月で感染拡大を食い止めなければクリスマス商戦にもっと悪影響が出るどころか、今年のクリスマスは家族で集まれないという最悪の事態になりかねません。活動的なフランス人には辛いだろうけど、籠城がんばって!と、わりと平気な私は彼らにそっとエールを送ります。
疫病がこれ以上広がらないように、スマホの待ち受けをアマビエにしましたよ(関連記事はこちらより)。皆をコロナから守ってくれますように…お顔が思いっきり時刻で隠れちゃってるけど、お許しを。
2020年10月27日火曜日
梨泰院クラスに夫婦でハマる
あちこちで耳にしていた「梨泰院(イテウォン)クラス」。ようやく観始めたらあまりの面白さにどハマりしてしまい、バンちゃんにもどうしても観てほしくてしつこく口説いて口説き落としたら…
バンちゃんもハマりました笑 イテウォンの魅力はアジアを超える!
なんでも「復讐モノ」は大好きだそうで…そうなの?(怖っ)。とにかくイテウォンに取り憑かれたバンちゃん、平日の夜に3話観てしまうこともあって、その時期は寝不足でだいぶお疲れでした苦笑
私は最初一人で日本語字幕版を観て、バンちゃんの付き添い(?)ではフランス語字幕で観たのですが、個人的には日本語字幕のほうがしっくりきました。お隣の国ということもあって、東アジア特有の文化や人間関係の繊細な部分をちゃんと表せていたかなと。
例えば、日本では「店長と従業員」という関係ならたとえ二人の年齢が近くても、従業員は店長に敬語で接しますよね。なのでイテウォンクラスの日本語字幕では、従業員のセリフは全員店長である主人公のセロイに対して敬語で訳されていました。
セロイは居酒屋の店長さんです♩
ところがフランスでは、一緒に仕事をする間柄であれば上司部下に関係なく「Tutoiement」(フランクな話し方、タメ口)でコミュニケーションを行うので、イテウォンクラスのフランス語字幕でも従業員のセリフはセロイに対して「tu(君)」が使われていました。
今ではその仕事における「フランス流距離の近さ」にだいぶ慣れましたが、それでも上下関係を重んじるアジア人同士の会話を同じトーンで訳されると、日本人としてはちょっと違和感をおぼえました。もっとも韓国語は全然わからないので、もし従業員の韓国語のセリフがフランクだったら、私の感想は的外れも甚だしいんですけど(^^;;
そしてこれは西欧と東アジアの決定的な文化の違いですが、男の人が女の人の頭に優しく手を置く「頭ポンポン」。そのシーンがいくつかあるのでバンちゃんに、
日本女子は(好きな人に)これをされると嬉しいんだよ〜
と言ったら、
え、そうなの?
と訝しげな反応でした。
なんでもバンちゃんにとってその行為は「犬扱い」、つまり相手を下に見て従わせようとする態度の表れだとか。そういえばフランスでは見たことがないし、私もバンちゃんに頭を撫でられた経験は一度もないかも…?誇り高いフランス人女性に頭ポンポンは絶対NGですね(^^;;
まあ細かいことはさておき、どちらの字幕で観てもイテウォンクラスの面白さは変わりません笑 Netflixに加入している方は視聴できる今のうちにぜひぜひ。
2020年10月19日月曜日
Tataのティラミスとレシピ
8歳の誕生日を「Tata」(タタ = 叔母さんの愛称)のティラミスでお祝いしてもらったユーゴですが、レシピを入手したのでさっそく作ってみました♩
※過去記事はこちらより。
フランス語がわかる人のために、一応レシピの写真を載せますね。日本語訳の省略版は記事の最後にご紹介します。
ティラミスといえば、コーヒーを染み込ませたスポンジ生地とマスカルポーネのムースを交互に重ね、最後にココアパウダーがたっぷりまぶしてあるイメージだと思います。
日本のレシピではスポンジ生地から作るのかどうか不明ですが、フランスでは市販されている「Biscuits à la cuillère」(ビスキュイ・ア・ラ・キュイエール)という名の、卵白・小麦粉・砂糖だけでできたフワフワのスティックケーキを使うので、ティラミス作りは本当に簡単です。
※ちなみに cuillère はスプーンを意味します。
ビスキュイですが、我が家はBonne Maman(ボンヌ・ママン)を選んでいます。なにかとボンヌママン贔屓です笑 味も品質も間違いないだろうと安心するんですよね…
さて、ここからはタタのティラミスレシピをざっと紹介します。お菓子作りの細かい作業や行程が苦手な私は以下のように簡素化したのですが、それでも十二分美味しくできたので、レシピは単純であればあるほど良し!という方はぜひご覧あれ。
【材料(6〜8人分)】
・マスカルポーネチーズ 250g
(フランスでは1パック250gで売られている場合が多いです)
・砂糖 100g
・卵 3個(卵白と卵黄に分けておく)
・バニラシュガー 1袋(7,5g)
・レモン汁 3滴(=少々)
・ビスキュイ 24個(型の大きさによって前後します)
・コーヒー 大きめマグカップ1杯(ビスキュイの数によって前後します)
※エスプレッソではなくアメリカンタイプのコーヒーです、インスタントでも可
・カカオパウダー(無糖) スープスプーン2杯ぐらい
我が家のカカオパウダー(左)とバニラシュガー(右)。BIOに固執しているわけではないですが、両方あればBIOを選ぶという感じです。
【作り方(所要時間20分ぐらい)】
1)コーヒーを淹れて平たいボウルなどに移し粗熱を取っておく。
2)砂糖と卵黄を泡立て器で白っぽくなるまで混ぜる。
3)2)にマスカルポーネを3回ぐらいに分けて加え、均一になるまで混ぜる。
4)別のボウルで卵白とレモン汁3滴を一緒に泡立て、終わりのほうでバニラシュガーを足し、ピンと角が立つまで泡立てる。
5)3)に4)のメレンゲを3回ぐらいに分けて混ぜ入れ、泡が潰れないようにさっくり混ぜながら均一にする。
6)四角のバットや耐熱皿の底に、1)のコーヒーにさっとくぐらせたビスキュイを敷き詰める(長く浸すとボロボロに崩れるので注意!)。
7)マスカルポーネのムース半分をビスキュイの上に伸ばし、粉ふるいでスープスプーン1杯ぶんのカカオパウダーをまんべんなく振りかける。
8)6)と7)の行程を繰り返し、残りのカカオパウダーを振りかけ、ラップをして冷蔵庫で最低4時間寝かす。
9)食べる直前に冷蔵庫から出し、表面のカカオパウダーが水分を含んでべたついていたら、再度カカオパウダーを全体にまぶす(色を均一にして見た目と舌触りを良くするため)。
10)冷たいうちにボナペティ!Bon appétit !
見た目はあんまり良くないけど、味は保証します笑
混ぜて浸して重ねてまぶして、そして冷やすだけなので、ビスキュイさえ手に入れば本当にびっくりするほど簡単です。ぜひお試しあれ♩
数年ぶりにお菓子のレシピが増えて嬉しい…バンちゃんもユーゴもいたく気に入ってくれたので、これから月1ぐらいのペースで作ることになりそう?毎週でもリクエストされそうですが、砂糖の過剰摂取は健康に良くないし、たまに食べるからこそより一層美味しく感じるというもの。私へのありがたみもね笑
2020年10月16日金曜日
使い心地:NUXEのプロディジューオイル
「驚異的なオイル」ことNUXEのプロディジューオイル、顔と髪につけ始めて2週間が経ちました。(過去記事はこちらより)
少し減りましたが、まだたっぷり残っています。
まず、使い始めてすぐ気になった強めの香りですが、すぐ慣れました笑 周りの人が気づくかどうか定かではないですが、匂いに敏感なバンちゃんにも今のところなにも言われていないので、大丈夫かと思います。
顔には化粧水をつけた後、保湿クリームの代わりにこのオイルを2プッシュぶん肌に伸ばしています。その上にマットな質感になるクリームを塗ってからメイクをしているのですが、やはりオイルを下塗りしているせいか、メイク直後からうっすらテカっている感じがします。
ところが数時間経って鏡で自分の顔を見た時、テカり具合が朝のメイクしたての時とあまり変化していない印象です。少し皮脂が浮いていても軽くティッシュオフすれば落ち着きます。以前は仕事で集中しすぎると(なぜか)頬骨あたりのテカりが酷かったのに、それがほとんど無くなりました。鏡やガラスに映る自分がチラと目に入った時、
「うわ、テカってる!」
じゃなくて
「あれ、まだ良い感じ♩」
と思うことが多くなりました笑
そして何より、肌触りがしっとりツルツルなのが気に入っています。まだ使い始めて2週間とはいえ、吹き出ものの出現がなくなりました!おかげでメイクの伸びも指が滑るほど良好です笑 つまり今のところ、スキンケアをこちらに変えたのは正解と言えます♩
そして髪への効果は、サラッサラになるわけではないですが、ゴワゴワ感とボリュームが抑えられてまとまりが良くなったので、スタイリング剤としてもなかなか優秀です。つけすぎるとさすがにテカってしまうので、2プッシュを手のひらに薄く伸ばし、毛先やボリュームが気になる部分の内側に揉み込むと良い感じです。
というわけで、NUXEのプロディジューオイル、今のところは自分に合っているのでオススメです。家にあるボディクリームを使い切ったら、体にも塗ろうかな。そうしたらこれ1本で保湿クリーム、ヘアクリーム、ボディクリームの3つが要らなくなるので、とても経済的?旅行の際も荷物が少なくなって良さそうです。
ただ、硬ーいガラス瓶に入っていて重たいし、ぶつけると大きな音がするので、取扱注意なところは玉に瑕ですが、オイルの品質保持にはガラスが最適なのかな…オイルだけに指が滑って落っことさないよう気をつけます(^^;;
2020年10月12日月曜日
8歳はインフィニティ
昨日の話ですが、ユーゴ(Hugo)は8歳になりました!Loctudy(ロクチュディ)に住む義姉マリリンの家にお世話になっていたので、家族でお祝いしました♩
バースデーケーキは本人の希望で、タタ(Tata = 叔母さんの愛称)お手製のティラミス!
タタのティラミスはいつにも増してココアパウダーたっぷりでした。理由を聞いたら、引越しの時に粉ふるいを失くしたそうで、豪快にスプーンで振りかけたのだとか。これにロウソクを挿して吹き消したら、舞い上がって大変なことになるね…というわけで今年はキャンドルなしとなりました(^^;;
豪快にパクっ、んーおいしい♩
ティラミスは苦いココアパウダーがかかっているし、ビスキュイには少量ながらコーヒーも染み込ませてあるので、だいぶ大人味のデザートですよね。ユーゴはもちろんコーヒーは飲みませんが、チョコレートはビターも好きだし、苦味も辛味もわりと平気です。食事中に自分で胡椒やタバスコを足したりするほど(苦笑)
タタのティラミスは家族みんな大好きでバンちゃんは溺愛の域なので、ぜひ我が家でも再現したいと今回タタのレシピを入手しました。近いうちに作ってみようと思います、ココアはふるいにかけるべし笑
さて8歳になった我が子に「何歳になったの?」と日本語で聞いてみたところ、
インフィニティー♩
は?そんな名前の車があるけど(日産?)、8歳となんの関係が?…としばし考えたところ、思い出しました。以前数字の「8」は「無限」を表す
「∞」
に似てるよねーなんてことを言った記憶があります。それにしても「インフィニティ」という言葉は口にしたっけ?ともあれこの1年も無限の可能性と不思議ちゃんっぷりを発揮して、マイペースに楽しく過ごしてくれたらいいなと思います。
8歳のうちには日本の家族と再会できますように…
2020年10月11日日曜日
2週間遅れの誕生日ディナー@Auberge des Glazicks☆☆
先日の記事にも書いたのですが、今年の誕生日当日は4年ぶりに副鼻腔炎になってしまい体調が悪かったので、予約していたディナーを泣く泣く2週間延期しました。
それから抗生剤や鼻スプレーのおかげで少しずつ回復し、延期した予約の日までになんとか全快できました!ああ、健康ってなんて素晴らしいの…当日にお祝いしたかったのはヤマヤマですが、延期して本当に良かったと思う今この瞬間です(理由は後ほど)。
節目の誕生日ディナーに向かった先は、フィニステール県で唯一のミシュラン二つ星、"Auberge des Glazicks"(オーベルジュ・デ・グラズィック)。料理コンクール番組"Top Chef"に毎年一度は出演されている、Olivier Bellin(オリヴィエ・ブラン)氏のお店です。トップシェフ好きの私のためにバンちゃんが奮発してくれました、ありがとう!
以下お店の方に許可をもらって撮った写真と共にご紹介します。
まずはシックな店内。大きな窓からは海が見渡せます。
メニューと一緒に渡された紙には、レストランで使われている食材の産地と生産者名(と連絡先まで!)がびっしり書いてありました。可能な限り地産地消を追求するシェフのこだわりが伝わってきます。
アミューズブーシュ(の一部)。蕎麦の実が敷き詰められた容器に一口サイズのタルトが乗っていて、勧められた順番にいただきます。
写真奥のビーツと地元産ハムのタルトが風味豊かで驚きの美味しさでした。
その後はメニューに書いてある料理がすべて順番に運ばれてくるのですが、私に提供された前菜はアーティチョークのクリームとチップス、ムール貝にイカ墨のソース。
なぜ「私に」かと言うと、注文の際に「嫌いなもの、アレルギー」などを尋ねられたので正直に「生クリームが苦手です」と答えたら、生クリーム入りの料理はすべて違うものに替えてくれたのです!なんとありがたい、、、アーティチョークのクリームが舌触りしっとり滑らかでムールの食感も絶妙でした。
空いた食器が下げられるとほどなく次のフォークやスプーンが置かれ、数分後には次の料理が運ばれてきます。なんてスムーズなサービス、無駄な時間や待たされているという感覚が一切ありません。
こちらはプリプリのラングスティーヌにカリカリの豚足(!)というマリアージュ。
ホタテ貝柱に透き通るほど薄いベーコンのスライス。付け合わせのépeautre(エポートル)という穀物はプチプチした食感が楽しく病みつきになります。丸いのは andouille(アンドゥイユ=豚の腸のソーセージ)のチップスです。
ブルターニュ産オマール海老とフォアグラのマリアージュ。熱々のオマールのブイヨンを注いでいただきました。白いのは Coco de Paimpol(ココ・ドゥ・パンポル)と呼ばれるパンポル産の白インゲン豆で、ホクホク食感とほんのりした甘みが美味しいです。
写真に撮りそびれたのですが、この後別のオマール海老と魚料理の2品が運ばれてきて、かなりお腹いっぱいになってしまい魚料理は完食できず…デザートも2品あるので大丈夫なのか?とかなり不安になりましたが、これは別腹でした!
プルガステル産フランボワーズのエストラゴン風味、ビスキュイブルトンのアイスクリーム。
大ぶりの木苺はしっかりエストラゴンの香りで爽やかな甘さ、そして感動すらおぼえたのがアイスクリームです。冷たいのに、トロッと口の中で溶けるのに、味は塩バタークッキーそのもの!すごい、凄すぎる。お腹いっぱいなのも忘れてペロッと食べられてしまいました。
そして極めつけは目で見ても楽しませてくれるチョコレートとパッションフルーツ、マンゴーのデザート。
球体のチョコレートカプセルに刺さった筒に熱々のチョコレートソースを注ぐと、球体がじわじわ溶け出してくるという演出でした。中にはチョコレートムース、マンゴー、サクサクのクランブルが入っていて、何もかも驚き。右側に添えられたチョコレートとパッションフルーツのソルベも2つの風味が完全に一体化していてまさに surprenant(驚きの)デザートでした…
が、チョコレートはやはり胃に重いので、頑張って口に運んだけれど半分ほどでギブアップ。生まれて初めて、本当の意味で「お腹がはち切れそう」になりました。ここまでの状態になったらもう、満腹を通り越して「苦しく」なってしまい、序盤にパンを食べすぎるんじゃなかったと激しく後悔。
いやでも、冷静に数えてみたら、
・アミューズブーシュ5個
・前菜1品
・小ぶりのメイン5品
・デザート2品
・食後のミニデザート3個
・一口ミントチョコレート
+パン5種(プレーン、蕎麦の実、いか墨、海藻、ベーコン)
これを最後まで余裕で食べられる人のほうが明らかに少ない気がします。お店の人に
「Copieux(コピュー=ボリュームたっぷり)ですね」
と言ってみたら笑顔で
「シェフは généreux(ジェネルー=寛大で太っ腹)なんです」
と返されてしまい、もはや苦しいお腹を抱えて笑うしかない(^^;; 他のお客さんからも「コピュー」がちらほら聞こえていました。
というわけで、最後のほうは苦しさのあまり美味しさを十分に堪能できなかったのがちょっと残念でしたが、シェフの寛大さと何よりブルターニュへの愛をひしひしと感じることができました。そして魚介と豚肉を大胆に合わせる「Terre-mer(テール・メール=山の幸と海の幸のマリアージュ)」も新鮮すぎる驚きと発見でした。
言葉ではとても言い表せませんが、ひとつ言えるのは、このレベルまでくると料理はもはや「芸術」だということです。食材の組み合わせも、味も、香りも、食感も、何もかも、料理の可能性は無限なんだなと実感しました。
シェフにお会いすることができなかったのも心残りですが、あらためて、故郷の日本を遠く離れ移住の地として選んだのが美食大国フランスで本当に良かったと思った夜でした。
健康体であっても量の多さに胃が悲鳴をあげてしまったので、体調不良をおして無理やり決行せず、2週間延期して本当に正解でした。行かれる方はぜひ、限りなくお腹を空かせて臨んでください。パンも味見程度にとどめておくのが懸命です。
L'Auberge des Glazicks
7 rue de la Plage, 29550 Plomodierne
02 98 81 52 32
要予約