2020年3月16日月曜日

ついに外出制限@フランス

新型コロナウィルスの感染拡大を受けてフランスでは学校の無期限休校が決まり、3月15日の0時からはレストランやカフェが閉鎖され、薬局や食料品店以外の商店も強制的に閉店となりました。

ところが15日(日)は待ちに待った春の陽気で、パリの公園やセーヌ河畔はピクニックや散歩を楽しむ家族連れで賑わい…度重なる措置にもかかわらず、フランス国民にはどうも危機感と自覚が足りないようです(T_T)

休校初日となった本日3月16日も晴天。こんな良いお天気なのに外出を控えろって言われてもな〜と思いつつ仕事のパソコンに向かっていたら、フランス(の他の地域に)在住の同僚が、

近くのスーパーは入場制限が始まった。
入り口には長蛇の列。
駐車場は満杯で車が停められない。

と聞きつけ、仕事を中断し慌てて買い出しへ。なんでも今夜マクロン大統領が新たな声明を発表するそうで、イタリアやスペイン同様に「外出制限」が発令される可能性が高いとあり、自由に外出できなくなる前に買い溜めしておこうと大勢の人がスーパーに押し寄せているもよう。

大都市の混乱ぶりはテレビでも見かけていましたが、まさか西の端っこはそんな事態にはならないだろうと思いつつ、怖いもの見たさで仕事終わりに近所のルクレールへ行ってみました。駐車場はわりと空いているし、入り口の出入りも自由な様子。

なーんだと拍子抜けしつつ店内に足を踏み入れたら、目に飛び込んできたのは空っぽの棚!いつもは食パンがギッシリ並んでいるのに、見事にすっからかんです。


小麦粉もほぼ売り切れ(ブルターニュだけにクレープを焼くつもり?)…!


豚肉や鶏肉は皆無でした。わずかに売れ残っていたのは値段が高い牛肉や怪しい色をした臓物らしき部位のみ。


買占めの標的となっているパスタも、見事にすっからかん。


トイレットペーパーも安価なものからすべて売り切れていたので、仕方なくちょっと高いメーカー品を1パック買いました。

こうして空っぽの棚を実際に目の当たりにすると、さすがに多少不安な気持ちに襲われます。食品はなにも買う予定が無かったのに、いつも食べている米がかろうじて売れ残っていたので、思わず1箱カゴに入れてしまいました。これが買い溜めに走ってしまう心理というもの…?

ついでに牛乳も買い足そうと売り場に行ったのですが、こちらもかなり品薄でした。棚の奥の奥に1本だけ残っていたので手を伸ばし、消費期限を確認したところ…2月5日!

1か月以上も前に期限切れしている…どういうこと?なにかの手違いで置き去りにされてしまったのでしょうか。数時間前に同僚が「唯一売れ残っていたパンを買ったら、1ヶ月賞味期限が切れていた!」と嘆いていたけれど、まさか同じケースに遭遇するとは。

他にも(必要ないのに)ティッシュを2箱買ってみたりして、私もテレビの中で見かけた買い溜めに走るパニック状態のフランス人と同じじゃんと自分をたしなめつつ、そうしてしまった理由のひとつとしては、

そのうち入店制限になって外に並ぶのが面倒だから。

私と同意見の人はけっこういたのではないかと思います。ともあれよっぽど家に食べるものがないという場合を除いては、スーパーに足を踏み入れるのさえ避けたほうがいいのは確か。これを最後に1週間は家にあるもので食いつないでみせるぞ。

さて予想通り、マクロン大統領から2週間の外出制限が発令されました。通院、テレワークができない人の通勤、日用品の買い物以外は外出を控えるようにとのこと。家族や友人と集まるのもダメで、取り締まりや罰則もあるのだとか。

Nous sommes en guerre.
(これは戦争だ。)

とまで言い切ったマクロン氏。数時間前、同僚に「まるで戦時中みたいですね」と冗談めかして言ったら、本当にそのワードが国家元首の口から発せられるなんて。いよいよこの国に暮らす人たち全員が腹をくくって引きこもって、コロナの封じ込めにかからないといけないようです。

マッチ棒を緊密に横並べて火をつけると順々に燃え移りますが、1本でも隙間を空けることでその次は燃えない。コロナの感染ストップに喩えたそんな映像を見て、なるほど分かりやすいと思ったのでした。


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