2020年10月31日土曜日

チケレストランの使い道@コロナ禍

 フランスの"Ticket restaurant"(チケ・レストラン)を知っていますか?私は勝手に省略して「チケレス」と呼んでおります。

チケレスはフランスの企業が従業員に支給している「ランチ券」のようなもので、お昼ご飯を外で買って食べる社員の負担を減らすのと、地域のレストランやテイクアウトのお店に貢献する目的があると思われます。

一日の支給額は企業によって異なりますが、7〜10ユーロといったところでしょうか。うち企業は4割、社員が6割を負担します。土日を除く平日が対象なので1ヶ月だいたい20チケット支給され、昔は紙に印刷されたチケット綴りが毎月配られていましたが、今はICチップつきのカードで便利になりました。

バンちゃんのチケレスはまさにこのスイカデザインです。


多くの企業が支給しているチケレスですが、コロナ禍でテレワークが推奨されてからというもの、ランチは家で食べるのでチケレスを使う機会が激減し、カードには毎日10ユーロ程度が溜まっていく一方。我が家のバンちゃんは3月15日から今日まで一回も外でランチをしていないので、ある日、カードにだいぶ溜まっていると気づきました。その額、

450ユーロぶん!

しかもチケレスはその年ごとに「使用期限」があるらしいので、このまま放っておくと無効になってしまうそう。6割も社員が負担しているんだから、これはなんとかして消費しなければ…でもお金とは違って好きなように使えないのがチケレス。買えるものや場所、一日の限度額などあれこれ制約があるのです。

たとえば、チケレスはスーパーでも使えますが、もともと「ランチ代」として支給されているため、サンドイッチやサラダなど「出来合いの軽食」にしか使えません。しかも一日の限度額は19ユーロなので、スーパーではけっこう使いにくいのです。

ただ、コロナ禍にあって我が家同様チケレスが余ってしょうがない、または職業柄仕事が減って家計が苦しい人が大勢いることから、チケレスで買えるスーパーの商品に野菜と果物が追加されました。これは自炊の機会が増えたコロナ禍ではだいぶ助かります(本音は肉と魚も加えてほしいけどね〜)。

なのでここ2ヶ月ぐらいはチケレスをうまく消費しようと、一週間に1回の買い出しを2〜3回に分けるなどしていますが、一回で19ユーロ使っても2日で20ユーロぐらい溜まってしまうので、スーパーだけではなかなか効率よく消費できません。なんだか、チケレスに振り回されているように感じる今日この頃です(- -;;

それこそレストランでは堂々と使うことができて限度額も一日38ユーロなのですが、毎日外食というのは胃にもたれるし、なんせコロナ禍の外食は多少のリスクを伴うので気が引けますよね。そこで目をつけたのが「総菜屋(Traiteur)」での使用。レストランと同じく一回38ユーロまで使えるというので、最近はほぼ週一のペースで近くの総菜屋に足を運んでいます。

この日買ったのは、ほぼ2食分の惣菜。写真に映っているのは左上から時計回りに、お米とツナのサラダ、チキンとアボカドのパスタサラダ、海老とドライトマトのメキシカンマリネ。


他にもユーゴの大好物ラザニアやグラタン、デザートいろいろ、そして私のお気に入りは…こちらのネム(揚げ春巻き)です♩


中には豚ひき肉、人参、きくらげ、春雨が入っていてなかなかの美味しさ。130℃のオーブンで15〜20分温めればサクサク熱々に仕上がります。ネムは好物だけど自分で作ろうと思えばかなり手間ひまかかるので、近所の総菜屋さんで手軽に買えるとわかって嬉しい限り。クレームブリュレやフォンダン・オ・ショコラなどのデザートもレベル高いです。

再ロックダウン(二度目の外出制限)中も営業できるそうなので、外出証明書を片手に通い続けようと思います。水曜はパエリア、木曜はクスクス、金曜はキカファルス(ブルターニュ版ポトフ、関連記事はこちらより)、チェック済です笑

チケレスの消費が目的とはいえ、近所の総菜屋に足を運ぶようになったことで地域経済に少しは貢献していると思うので、コロナ禍も悪いことばかりではない…いや、悪いことだらけですね、やっぱり(T_T)

2020年10月29日木曜日

籠城、ふたたび始まる

フランスでは新型コロナウイルス感染第二波の急速な拡大にともない、10月30日(金)の0時から「全国一斉に」今年二度目の外出制限が始まることになりました。私はこれを「籠城」と呼ぶことにしています(関連記事はこちらより)。

「全国一斉に」を強調したのは、感染状況や医療体制の逼迫が深刻な地域だけが籠城の対象になるという噂もあったからです。正直、人口密度がとっても低いフランスの西の端っこはわりと平和だったので、今回のマクロン大統領の発表にはちょっとがっかりしたものです。

でもまあ、地域によって規制に差があると緩い方に人が押し寄せることも考えられるし、何より国全体の問題として全員が一丸とならなければ事態の早期改善は難しいだろうから、やりますよ、籠城ふたたび!

ただし発表から開始まで一日ちょっとしか時間がなかったので、翌日の29日は「籠城の準備」でバタバタと過ごしました。29日と30日は仕事の休みを取っていたのでのんびりしようと思っていたのに、あーあ。

外出制限中もスーパーへの買い出しは1時間以内であれば許可されているものの、毎回外出証明書を携行しなければいけないので、どうしても買い物に出る頻度は減ってしまいます。なので、ミネラルウォーターや日持ちする食品はいつもより多めに買ったのですが、加減がわからずデザートを買いすぎてしまい、冷蔵庫がパンパンに^^;;

左から果物いろいろのコンポート、ボンヌママンのバニラヨーグルト、プリン。写真には映っていませんが、上の段にもまだまだあります笑 ものすごい量ですが、バンちゃんは食後にだいたい2個は食べるし、今は夫婦在宅のテレワークで昼夜家で食事するので、デザートの減りはけっこう早いのです。

スーパーに買い出しの後は段ボールごみやプラスチックごみを捨てに行って、総菜屋さんにも寄って、一息ついて、最後の目的地は…海!


籠城中は家から1km圏内しかお散歩できないので、これを最後に1ヶ月は海の景色や潮風とお別れです。満潮時で波が高かったので、籠城前に最後の波乗りを楽しむサーファーたちをたくさん見かけました。

さて、あと1時間ちょっとで二度目の籠城生活がスタートです。前回と違って今回は幼稚園から高校までの学校は続行、経済活動も娯楽や販売業、飲食業以外は継続されるので、「ソフト籠城」とでも呼べるでしょうか。大学はオンライン授業、バーやレストランは閉鎖、他人と集まるのも禁止なので、ターゲットはまさに大勢集まって騒ぐ若者ですよね…

フランス経済にとっては更なる打撃ですが、この1ヶ月で感染拡大を食い止めなければクリスマス商戦にもっと悪影響が出るどころか、今年のクリスマスは家族で集まれないという最悪の事態になりかねません。活動的なフランス人には辛いだろうけど、籠城がんばって!と、わりと平気な私は彼らにそっとエールを送ります。

疫病がこれ以上広がらないように、スマホの待ち受けをアマビエにしましたよ(関連記事はこちらより)。皆をコロナから守ってくれますように…お顔が思いっきり時刻で隠れちゃってるけど、お許しを。

2020年10月27日火曜日

梨泰院クラスに夫婦でハマる

 あちこちで耳にしていた「梨泰院(イテウォン)クラス」。ようやく観始めたらあまりの面白さにどハマりしてしまい、バンちゃんにもどうしても観てほしくてしつこく口説いて口説き落としたら…

バンちゃんもハマりました笑 イテウォンの魅力はアジアを超える!


なんでも「復讐モノ」は大好きだそうで…そうなの?(怖っ)。とにかくイテウォンに取り憑かれたバンちゃん、平日の夜に3話観てしまうこともあって、その時期は寝不足でだいぶお疲れでした苦笑

私は最初一人で日本語字幕版を観て、バンちゃんの付き添い(?)ではフランス語字幕で観たのですが、個人的には日本語字幕のほうがしっくりきました。お隣の国ということもあって、東アジア特有の文化や人間関係の繊細な部分をちゃんと表せていたかなと。

例えば、日本では「店長と従業員」という関係ならたとえ二人の年齢が近くても、従業員は店長に敬語で接しますよね。なのでイテウォンクラスの日本語字幕では、従業員のセリフは全員店長である主人公のセロイに対して敬語で訳されていました。

セロイは居酒屋の店長さんです♩

ところがフランスでは、一緒に仕事をする間柄であれば上司部下に関係なく「Tutoiement」(フランクな話し方、タメ口)でコミュニケーションを行うので、イテウォンクラスのフランス語字幕でも従業員のセリフはセロイに対して「tu(君)」が使われていました。

今ではその仕事における「フランス流距離の近さ」にだいぶ慣れましたが、それでも上下関係を重んじるアジア人同士の会話を同じトーンで訳されると、日本人としてはちょっと違和感をおぼえました。もっとも韓国語は全然わからないので、もし従業員の韓国語のセリフがフランクだったら、私の感想は的外れも甚だしいんですけど(^^;;


そしてこれは西欧と東アジアの決定的な文化の違いですが、男の人が女の人の頭に優しく手を置く「頭ポンポン」。そのシーンがいくつかあるのでバンちゃんに、

日本女子は(好きな人に)これをされると嬉しいんだよ〜
と言ったら、

え、そうなの?
と訝しげな反応でした。

なんでもバンちゃんにとってその行為は「犬扱い」、つまり相手を下に見て従わせようとする態度の表れだとか。そういえばフランスでは見たことがないし、私もバンちゃんに頭を撫でられた経験は一度もないかも…?誇り高いフランス人女性に頭ポンポンは絶対NGですね(^^;;

まあ細かいことはさておき、どちらの字幕で観てもイテウォンクラスの面白さは変わりません笑 Netflixに加入している方は視聴できる今のうちにぜひぜひ。

2020年10月19日月曜日

Tataのティラミスとレシピ

8歳の誕生日を「Tata」(タタ = 叔母さんの愛称)のティラミスでお祝いしてもらったユーゴですが、レシピを入手したのでさっそく作ってみました♩

※過去記事はこちらより。

フランス語がわかる人のために、一応レシピの写真を載せますね。日本語訳の省略版は記事の最後にご紹介します。


ティラミスといえば、コーヒーを染み込ませたスポンジ生地とマスカルポーネのムースを交互に重ね、最後にココアパウダーがたっぷりまぶしてあるイメージだと思います。

日本のレシピではスポンジ生地から作るのかどうか不明ですが、フランスでは市販されている「Biscuits à la cuillère」(ビスキュイ・ア・ラ・キュイエール)という名の、卵白・小麦粉・砂糖だけでできたフワフワのスティックケーキを使うので、ティラミス作りは本当に簡単です。

※ちなみに cuillère はスプーンを意味します。

ビスキュイですが、我が家はBonne Maman(ボンヌ・ママン)を選んでいます。なにかとボンヌママン贔屓です笑 味も品質も間違いないだろうと安心するんですよね…

さて、ここからはタタのティラミスレシピをざっと紹介します。お菓子作りの細かい作業や行程が苦手な私は以下のように簡素化したのですが、それでも十二分美味しくできたので、レシピは単純であればあるほど良し!という方はぜひご覧あれ。

【材料(6〜8人分)】
・マスカルポーネチーズ 250g
(フランスでは1パック250gで売られている場合が多いです)
・砂糖 100g
・卵 3個(卵白と卵黄に分けておく)
・バニラシュガー 1袋(7,5g)
・レモン汁 3滴(=少々)
・ビスキュイ 24個(型の大きさによって前後します)
・コーヒー 大きめマグカップ1杯(ビスキュイの数によって前後します)
※エスプレッソではなくアメリカンタイプのコーヒーです、インスタントでも可
・カカオパウダー(無糖) スープスプーン2杯ぐらい


我が家のカカオパウダー(左)とバニラシュガー(右)。BIOに固執しているわけではないですが、両方あればBIOを選ぶという感じです。

【作り方(所要時間20分ぐらい)】

1)コーヒーを淹れて平たいボウルなどに移し粗熱を取っておく。

2)砂糖と卵黄を泡立て器で白っぽくなるまで混ぜる。

3)2)にマスカルポーネを3回ぐらいに分けて加え、均一になるまで混ぜる。

4)別のボウルで卵白とレモン汁3滴を一緒に泡立て、終わりのほうでバニラシュガーを足し、ピンと角が立つまで泡立てる。

5)3)に4)のメレンゲを3回ぐらいに分けて混ぜ入れ、泡が潰れないようにさっくり混ぜながら均一にする。

6)四角のバットや耐熱皿の底に、1)のコーヒーにさっとくぐらせたビスキュイを敷き詰める(長く浸すとボロボロに崩れるので注意!)。

7)マスカルポーネのムース半分をビスキュイの上に伸ばし、粉ふるいでスープスプーン1杯ぶんのカカオパウダーをまんべんなく振りかける。

8)6)と7)の行程を繰り返し、残りのカカオパウダーを振りかけ、ラップをして冷蔵庫で最低4時間寝かす。

9)食べる直前に冷蔵庫から出し、表面のカカオパウダーが水分を含んでべたついていたら、再度カカオパウダーを全体にまぶす(色を均一にして見た目と舌触りを良くするため)。

10)冷たいうちにボナペティ!Bon appétit !

見た目はあんまり良くないけど、味は保証します笑

混ぜて浸して重ねてまぶして、そして冷やすだけなので、ビスキュイさえ手に入れば本当にびっくりするほど簡単です。ぜひお試しあれ♩

数年ぶりにお菓子のレシピが増えて嬉しい…バンちゃんもユーゴもいたく気に入ってくれたので、これから月1ぐらいのペースで作ることになりそう?毎週でもリクエストされそうですが、砂糖の過剰摂取は健康に良くないし、たまに食べるからこそより一層美味しく感じるというもの。私へのありがたみもね笑

2020年10月16日金曜日

使い心地:NUXEのプロディジューオイル

 「驚異的なオイル」ことNUXEのプロディジューオイル、顔と髪につけ始めて2週間が経ちました。(過去記事はこちらより)

少し減りましたが、まだたっぷり残っています。


まず、使い始めてすぐ気になった強めの香りですが、すぐ慣れました笑 周りの人が気づくかどうか定かではないですが、匂いに敏感なバンちゃんにも今のところなにも言われていないので、大丈夫かと思います。

顔には化粧水をつけた後、保湿クリームの代わりにこのオイルを2プッシュぶん肌に伸ばしています。その上にマットな質感になるクリームを塗ってからメイクをしているのですが、やはりオイルを下塗りしているせいか、メイク直後からうっすらテカっている感じがします。

ところが数時間経って鏡で自分の顔を見た時、テカり具合が朝のメイクしたての時とあまり変化していない印象です。少し皮脂が浮いていても軽くティッシュオフすれば落ち着きます。以前は仕事で集中しすぎると(なぜか)頬骨あたりのテカりが酷かったのに、それがほとんど無くなりました。鏡やガラスに映る自分がチラと目に入った時、

「うわ、テカってる!」

じゃなくて

「あれ、まだ良い感じ♩」

と思うことが多くなりました笑

そして何より、肌触りがしっとりツルツルなのが気に入っています。まだ使い始めて2週間とはいえ、吹き出ものの出現がなくなりました!おかげでメイクの伸びも指が滑るほど良好です笑 つまり今のところ、スキンケアをこちらに変えたのは正解と言えます♩

そして髪への効果は、サラッサラになるわけではないですが、ゴワゴワ感とボリュームが抑えられてまとまりが良くなったので、スタイリング剤としてもなかなか優秀です。つけすぎるとさすがにテカってしまうので、2プッシュを手のひらに薄く伸ばし、毛先やボリュームが気になる部分の内側に揉み込むと良い感じです。

というわけで、NUXEのプロディジューオイル、今のところは自分に合っているのでオススメです。家にあるボディクリームを使い切ったら、体にも塗ろうかな。そうしたらこれ1本で保湿クリーム、ヘアクリーム、ボディクリームの3つが要らなくなるので、とても経済的?旅行の際も荷物が少なくなって良さそうです。

ただ、硬ーいガラス瓶に入っていて重たいし、ぶつけると大きな音がするので、取扱注意なところは玉に瑕ですが、オイルの品質保持にはガラスが最適なのかな…オイルだけに指が滑って落っことさないよう気をつけます(^^;;

2020年10月12日月曜日

8歳はインフィニティ

 昨日の話ですが、ユーゴ(Hugo)は8歳になりました!Loctudy(ロクチュディ)に住む義姉マリリンの家にお世話になっていたので、家族でお祝いしました♩

バースデーケーキは本人の希望で、タタ(Tata = 叔母さんの愛称)お手製のティラミス!


タタのティラミスはいつにも増してココアパウダーたっぷりでした。理由を聞いたら、引越しの時に粉ふるいを失くしたそうで、豪快にスプーンで振りかけたのだとか。これにロウソクを挿して吹き消したら、舞い上がって大変なことになるね…というわけで今年はキャンドルなしとなりました(^^;;

豪快にパクっ、んーおいしい♩


ティラミスは苦いココアパウダーがかかっているし、ビスキュイには少量ながらコーヒーも染み込ませてあるので、だいぶ大人味のデザートですよね。ユーゴはもちろんコーヒーは飲みませんが、チョコレートはビターも好きだし、苦味も辛味もわりと平気です。食事中に自分で胡椒やタバスコを足したりするほど(苦笑)

タタのティラミスは家族みんな大好きでバンちゃんは溺愛の域なので、ぜひ我が家でも再現したいと今回タタのレシピを入手しました。近いうちに作ってみようと思います、ココアはふるいにかけるべし笑

さて8歳になった我が子に「何歳になったの?」と日本語で聞いてみたところ、

インフィニティー♩

は?そんな名前の車があるけど(日産?)、8歳となんの関係が?…としばし考えたところ、思い出しました。以前数字の「8」は「無限」を表す



に似てるよねーなんてことを言った記憶があります。それにしても「インフィニティ」という言葉は口にしたっけ?ともあれこの1年も無限の可能性と不思議ちゃんっぷりを発揮して、マイペースに楽しく過ごしてくれたらいいなと思います。

8歳のうちには日本の家族と再会できますように…

2020年10月11日日曜日

2週間遅れの誕生日ディナー@Auberge des Glazicks☆☆

 先日の記事にも書いたのですが、今年の誕生日当日は4年ぶりに副鼻腔炎になってしまい体調が悪かったので、予約していたディナーを泣く泣く2週間延期しました。

それから抗生剤や鼻スプレーのおかげで少しずつ回復し、延期した予約の日までになんとか全快できました!ああ、健康ってなんて素晴らしいの…当日にお祝いしたかったのはヤマヤマですが、延期して本当に良かったと思う今この瞬間です(理由は後ほど)。

節目の誕生日ディナーに向かった先は、フィニステール県で唯一のミシュラン二つ星、"Auberge des Glazicks"(オーベルジュ・デ・グラズィック)。料理コンクール番組"Top Chef"に毎年一度は出演されている、Olivier Bellin(オリヴィエ・ブラン)氏のお店です。トップシェフ好きの私のためにバンちゃんが奮発してくれました、ありがとう!

以下お店の方に許可をもらって撮った写真と共にご紹介します。

まずはシックな店内。大きな窓からは海が見渡せます。


メニューと一緒に渡された紙には、レストランで使われている食材の産地と生産者名(と連絡先まで!)がびっしり書いてありました。可能な限り地産地消を追求するシェフのこだわりが伝わってきます。


アミューズブーシュ(の一部)。蕎麦の実が敷き詰められた容器に一口サイズのタルトが乗っていて、勧められた順番にいただきます。

写真奥のビーツと地元産ハムのタルトが風味豊かで驚きの美味しさでした。

その後はメニューに書いてある料理がすべて順番に運ばれてくるのですが、私に提供された前菜はアーティチョークのクリームとチップス、ムール貝にイカ墨のソース。

なぜ「私に」かと言うと、注文の際に「嫌いなもの、アレルギー」などを尋ねられたので正直に「生クリームが苦手です」と答えたら、生クリーム入りの料理はすべて違うものに替えてくれたのです!なんとありがたい、、、アーティチョークのクリームが舌触りしっとり滑らかでムールの食感も絶妙でした。

空いた食器が下げられるとほどなく次のフォークやスプーンが置かれ、数分後には次の料理が運ばれてきます。なんてスムーズなサービス、無駄な時間や待たされているという感覚が一切ありません。

こちらはプリプリのラングスティーヌにカリカリの豚足(!)というマリアージュ。


ホタテ貝柱に透き通るほど薄いベーコンのスライス。付け合わせのépeautre(エポートル)という穀物はプチプチした食感が楽しく病みつきになります。丸いのは andouille(アンドゥイユ=豚の腸のソーセージ)のチップスです。


ブルターニュ産オマール海老とフォアグラのマリアージュ。熱々のオマールのブイヨンを注いでいただきました。白いのは Coco de Paimpol(ココ・ドゥ・パンポル)と呼ばれるパンポル産の白インゲン豆で、ホクホク食感とほんのりした甘みが美味しいです。


写真に撮りそびれたのですが、この後別のオマール海老と魚料理の2品が運ばれてきて、かなりお腹いっぱいになってしまい魚料理は完食できず…デザートも2品あるので大丈夫なのか?とかなり不安になりましたが、これは別腹でした!

プルガステル産フランボワーズのエストラゴン風味、ビスキュイブルトンのアイスクリーム。


大ぶりの木苺はしっかりエストラゴンの香りで爽やかな甘さ、そして感動すらおぼえたのがアイスクリームです。冷たいのに、トロッと口の中で溶けるのに、味は塩バタークッキーそのもの!すごい、凄すぎる。お腹いっぱいなのも忘れてペロッと食べられてしまいました。

そして極めつけは目で見ても楽しませてくれるチョコレートとパッションフルーツ、マンゴーのデザート。

球体のチョコレートカプセルに刺さった筒に熱々のチョコレートソースを注ぐと、球体がじわじわ溶け出してくるという演出でした。中にはチョコレートムース、マンゴー、サクサクのクランブルが入っていて、何もかも驚き。右側に添えられたチョコレートとパッションフルーツのソルベも2つの風味が完全に一体化していてまさに surprenant(驚きの)デザートでした…

が、チョコレートはやはり胃に重いので、頑張って口に運んだけれど半分ほどでギブアップ。生まれて初めて、本当の意味で「お腹がはち切れそう」になりました。ここまでの状態になったらもう、満腹を通り越して「苦しく」なってしまい、序盤にパンを食べすぎるんじゃなかったと激しく後悔。

いやでも、冷静に数えてみたら、


・アミューズブーシュ5個
・前菜1品
・小ぶりのメイン5品
・デザート2品
・食後のミニデザート3個
・一口ミントチョコレート
+パン5種(プレーン、蕎麦の実、いか墨、海藻、ベーコン)

これを最後まで余裕で食べられる人のほうが明らかに少ない気がします。お店の人に

「Copieux(コピュー=ボリュームたっぷり)ですね」
と言ってみたら笑顔で

「シェフは généreux(ジェネルー=寛大で太っ腹)なんです」
と返されてしまい、もはや苦しいお腹を抱えて笑うしかない(^^;; 他のお客さんからも「コピュー」がちらほら聞こえていました。

というわけで、最後のほうは苦しさのあまり美味しさを十分に堪能できなかったのがちょっと残念でしたが、シェフの寛大さと何よりブルターニュへの愛をひしひしと感じることができました。そして魚介と豚肉を大胆に合わせる「Terre-mer(テール・メール=山の幸と海の幸のマリアージュ)」も新鮮すぎる驚きと発見でした。

言葉ではとても言い表せませんが、ひとつ言えるのは、このレベルまでくると料理はもはや「芸術」だということです。食材の組み合わせも、味も、香りも、食感も、何もかも、料理の可能性は無限なんだなと実感しました。

シェフにお会いすることができなかったのも心残りですが、あらためて、故郷の日本を遠く離れ移住の地として選んだのが美食大国フランスで本当に良かったと思った夜でした。

健康体であっても量の多さに胃が悲鳴をあげてしまったので、体調不良をおして無理やり決行せず、2週間延期して本当に正解でした。行かれる方はぜひ、限りなくお腹を空かせて臨んでください。パンも味見程度にとどめておくのが懸命です。



L'Auberge des Glazicks
7 rue de la Plage, 29550 Plomodierne
02 98 81 52 32
要予約

2020年10月1日木曜日

NUXEのプロディジューオイル

 メンタリストDaiGoさんのYouTubeチャンネルを時々観るのですが、いつだったかスキンケアの話題になった時に、

化粧水を何度つけても肌が吸収できる水分には限りがあるし、水は蒸発するのだから、オイルを塗って水分を封じ込めることが大事

というようなことを聞いて一度試してみたいと思っていました。なんでもDaiGoさんはココナツオイルを塗っているそうですが、私はココナツ独特の甘い香りが苦手なので、前から気になっていたこちらに手を出してみました。

NUXE(ニュクス)の
Huile prodigieuse(ユイル・プロディジューズ)


日本では「プロディジューオイル」という商品名だそうです。意味は「驚異的なオイル」、自信にあふれた名前ですねぇ。アルガンオイル、アーモンドオイルなど7種類の植物油配合で顔、体、髪に使えるのだとか。

さっそく洗顔後、化粧水を1回つけただけの顔に塗ってみました。スプレータイプなので2回プッシュしたオイルを顔全体に広げると、スーッとなめらかに伸びる!ただ、

香りがちょっとキツいかも…

百合の花のような、芳醇な「マダムの香り」とでも言いましょうか。たぶん良い匂いなんだろうけど、馴染みのない香りなので最初は「ウッ」となりました。でも時間が経つと薄れてくるので、慣れの問題かな。

つけ心地は、肌にスッと馴染むのは良いのですが、やっぱりオイルだけに塗った直後はテカーっと顔が光って見えます。お肌の水分を封じ込めて皮脂の分泌を防ぐためにつけるものがオイル(=油)って、結果は同じなんじゃないの?と思わずにはいられません。だから今まで気になってはいたけど試したことがなかったわけで…

まあまだ使い始めたばかりなので、1〜2週間は様子を見てみようと思います。特に気になるのは、朝の洗顔後にこのオイルを塗ることで、1日の皮脂の分泌量に違いが出るのかどうか。夕方の化粧崩れの度合いに要注目です笑

顔への影響はまだわかりませんが、髪への効果はすぐに実感しました♩毛先のパサついているところに馴染ませるとしっとりして、ボリュームも適度に抑えられます。ヘアクリームの代わりに使ってみましたが、タオルドライ後の髪に馴染ませてドライヤーで乾かすのが良いのだとか?そっちも試してみる予定です。

果たして本当に、オイルが肌の潤いを守り、皮脂の分泌を抑えてくれるのか?検証が楽しみです、結果はこちらでお知らせしますね〜(o^^o)