2020年3月22日日曜日

フランスは外出制限?禁止?

新型コロナウィルスにまつわるフランスの現状を日本語で伝える時、外出「制限」と書いたり「禁止」と書いたりしていますが、厳密には「制限」のほうが的確なようです。

ただ、「制限」ぐらいじゃ自制できないフランス人が少なからずいるので、思い切って「禁止」にしたほうがいい気はします。現に外出者のコントロールや取締りはより一層厳しくなるようなので、そのうち本当に「外出禁止」になりそうですね。

さて、フランス語でこの「外出制限」を意味する名詞は

confinement(コンフィヌマン)


という男性名詞で、直訳は「閉じこもること」です。目下あちこちでこの言葉を見聞きします。「私、外出制限中なの(引きこもり中なの)」とフランス語で言う場合は、

Je suis en confinement.

となります。この前仕事中にフランス人講師とチャットでやりとりした後、締めの挨拶で…

Bon confinement !「良い引きこもりを!」

なんて言い合ったものです笑

ところが場所によっては外出制限ぐらいじゃ違反者が後を絶たないため、自治体の長がやむを得ず「夜間の外出禁止令」を出すと決定したそうで、そのフランス語は

couvre-feu(クーヴル・ フ)

という男性名詞です。ハイフン(フランス語では trait d'union)を挟んで左側の"couvre"は「覆う」という意味の動詞"couvrir"から来ており、右の"feu"は「火」を意味する男性名詞です。とすると"couvre-feu"は「火を覆う」ことですが、由来は中世に遡るようです。

煮炊きや暖をとるのに火を使っていた当時、夜中に火事が起こらないよう就寝前に鋳鉄の蓋のようなもので火を覆う習慣があり、それが現在の「夜間外出禁止=夜中に問題が起きないよう家に閉じ込めておくこと」を意味する言葉として普及したみたいです。一般には23時〜翌5時の間だそうで。いろいろ勉強になりますね…

最後に良い写真を見つけたのでシェア♩

パリかどこかのアパルトマンの住民がベランダに取り付けたもので、

On reste à la maison. Faites pareil.
(うちは家にこもっているよ。あなたたちもそうしてね)

と外出制限を呼びかけています。♥が愛らしいですね。狭いアパートでの引きこもり生活は窮屈で辛いだろうけど、近所の人たちとこうやって励まし合い、工夫しながら前向きに乗り切ってほしいものです。

Bon confinement !

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