2020年2月25日火曜日

フランス語の「ナイーブ」にご用心

彼ってナイーブな人だよね。

というフレーズを耳にしたら、「ナイーブ」という言葉をどのように解釈しますか?おそらく日本人であれば、

デリケートな、繊細な

という意味に捉えると思います。だとしたら、話題になっている「彼」のイメージは決して悪いものではないはず。褒め言葉とも言えない気はするけど…

さて「ナイーブ」という言葉、実はフランス語由来でして"naïve"と書いて「ナイーヴ」と発音する形容詞です。しかも、「ナイーヴ」は「女性形」なので、男性形は"naïf"と書いて「ナイーフ」と発音します。

なので、「彼ってナイーブな人だよね」という文をフランス語にすると、

Il est naïf.
(イレ ナイーフ)

となるわけですが、意味は日本人が思い浮かべるものとは違ってけっこうネガティヴなのでご用心。どういう意味になるかというと、「彼」は…

お人よしで、
ばか正直で、
世間知らずで、
うぶで間抜けな

人なんです(T_T)こう言われたら、当の本人はカチンときてしまいますよね。フランス語を勉強している方、フランス人と交流する機会がある方はぜひ、日本で使われている「ナイーブ」とフランス語の"naïf/naïve"は意味が違うということに気をつけましょう。

たとえば日本には「ナイーブ」という名前のボディソープがあるけれど、たぶん「デリケートで敏感なお肌のために」というメッセージが込められているんでしょうね…デザインはシンプルでかわいいけどね。


あとは、教育系人気ユーチューバーのAちゃん。歴史好きの私は時々彼の動画を観ますが、たとえば敵対する二つの勢力について話をしている時などに、Aちゃんはよく

これはナイーブな問題ですよね〜

と言ったりするので一瞬ギョッとします。そうか、彼は日本に溶け込んだ「ナイーブ」を使っているから「デリケートな問題」と同じ意味で話しているんだろうな。そして大部分の視聴者は彼が発した「ナイーブ」にまったく違和感を覚えないかもしれないですね。

もしいつかAちゃんが自身の動画で「ナイーブな」と言わなくなったら、私と同じことを思った誰かがコメント欄かなにかで指摘した結果ということなんでしょうか(^^;;

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