2020年10月31日土曜日

チケレストランの使い道@コロナ禍

 フランスの"Ticket restaurant"(チケ・レストラン)を知っていますか?私は勝手に省略して「チケレス」と呼んでおります。

チケレスはフランスの企業が従業員に支給している「ランチ券」のようなもので、お昼ご飯を外で買って食べる社員の負担を減らすのと、地域のレストランやテイクアウトのお店に貢献する目的があると思われます。

一日の支給額は企業によって異なりますが、7〜10ユーロといったところでしょうか。うち企業は4割、社員が6割を負担します。土日を除く平日が対象なので1ヶ月だいたい20チケット支給され、昔は紙に印刷されたチケット綴りが毎月配られていましたが、今はICチップつきのカードで便利になりました。

バンちゃんのチケレスはまさにこのスイカデザインです。


多くの企業が支給しているチケレスですが、コロナ禍でテレワークが推奨されてからというもの、ランチは家で食べるのでチケレスを使う機会が激減し、カードには毎日10ユーロ程度が溜まっていく一方。我が家のバンちゃんは3月15日から今日まで一回も外でランチをしていないので、ある日、カードにだいぶ溜まっていると気づきました。その額、

450ユーロぶん!

しかもチケレスはその年ごとに「使用期限」があるらしいので、このまま放っておくと無効になってしまうそう。6割も社員が負担しているんだから、これはなんとかして消費しなければ…でもお金とは違って好きなように使えないのがチケレス。買えるものや場所、一日の限度額などあれこれ制約があるのです。

たとえば、チケレスはスーパーでも使えますが、もともと「ランチ代」として支給されているため、サンドイッチやサラダなど「出来合いの軽食」にしか使えません。しかも一日の限度額は19ユーロなので、スーパーではけっこう使いにくいのです。

ただ、コロナ禍にあって我が家同様チケレスが余ってしょうがない、または職業柄仕事が減って家計が苦しい人が大勢いることから、チケレスで買えるスーパーの商品に野菜と果物が追加されました。これは自炊の機会が増えたコロナ禍ではだいぶ助かります(本音は肉と魚も加えてほしいけどね〜)。

なのでここ2ヶ月ぐらいはチケレスをうまく消費しようと、一週間に1回の買い出しを2〜3回に分けるなどしていますが、一回で19ユーロ使っても2日で20ユーロぐらい溜まってしまうので、スーパーだけではなかなか効率よく消費できません。なんだか、チケレスに振り回されているように感じる今日この頃です(- -;;

それこそレストランでは堂々と使うことができて限度額も一日38ユーロなのですが、毎日外食というのは胃にもたれるし、なんせコロナ禍の外食は多少のリスクを伴うので気が引けますよね。そこで目をつけたのが「総菜屋(Traiteur)」での使用。レストランと同じく一回38ユーロまで使えるというので、最近はほぼ週一のペースで近くの総菜屋に足を運んでいます。

この日買ったのは、ほぼ2食分の惣菜。写真に映っているのは左上から時計回りに、お米とツナのサラダ、チキンとアボカドのパスタサラダ、海老とドライトマトのメキシカンマリネ。


他にもユーゴの大好物ラザニアやグラタン、デザートいろいろ、そして私のお気に入りは…こちらのネム(揚げ春巻き)です♩


中には豚ひき肉、人参、きくらげ、春雨が入っていてなかなかの美味しさ。130℃のオーブンで15〜20分温めればサクサク熱々に仕上がります。ネムは好物だけど自分で作ろうと思えばかなり手間ひまかかるので、近所の総菜屋さんで手軽に買えるとわかって嬉しい限り。クレームブリュレやフォンダン・オ・ショコラなどのデザートもレベル高いです。

再ロックダウン(二度目の外出制限)中も営業できるそうなので、外出証明書を片手に通い続けようと思います。水曜はパエリア、木曜はクスクス、金曜はキカファルス(ブルターニュ版ポトフ、関連記事はこちらより)、チェック済です笑

チケレスの消費が目的とはいえ、近所の総菜屋に足を運ぶようになったことで地域経済に少しは貢献していると思うので、コロナ禍も悪いことばかりではない…いや、悪いことだらけですね、やっぱり(T_T)

0 件のコメント: